柴犬わっちは今日も八百屋でお仕事。
「わっち、来週、店長代理を頼めるかな?私、出張で少し店を空けなくちゃいけないんだよ」とヤギのメェ店長が言ってきた。
「え?先輩社員たちはどうしたんですか?」わっちは若手で店長不在時は、今まで先輩たちが代理を務めていた。
「それが、みんな都合がつかなくて。商品の買い付けやら休みやらで、その日はわっちしか頼めないんだよ」と店長。
「え?ボクにできるかな?」と不安げなわっちに店長は、「大丈夫②ちゃんとマニュアル渡していくから」と軽いノリで言ってのけた。
そう言われてからというもの、心が動揺して不安げなまま仕事を続けるわっち。
「わっちさん、これどこに置いておけばいいんでしょうか?」アルバイトのネコのハナさんがわっちに尋ねた。
「……あ!えっと、何か用ですか?」と上の空のわっち。質問が頭に入ってこない。
「これです。どこに置きましょうか?」と再び同じ質問を繰り返すハナさん。「あぁ!」とようやく我に返ったようでハナさんが持っていた、イチゴの箱を引き取るわっち。
「これは…そうだな、みかんの隣に陳列しようか」そう言って、イチゴの箱を二人で持ちながら、売り場へと足を運んでいった。
「わっちさん、なんか今日は変ですよ?上の空というか…」ハナさんは言う。
「そ、そうかな?」とわっち。
「何かあったんですか?」ハナさんは不思議そうな顔をしてわっちに尋ねた。
何か、ハナさんとこうして話すのって久しぶりで緊張するな…と感じたわっちだったが、「他愛のない事でもひとまず口にすること」「オチのない話でも気にしない」という仲の良いカウンセラーの言葉(雑談のコツ)が頭をよぎり、「実は…」と心にあったことをハナさんに話してみた。
「そうですか…。店長の代理…。それで上の空だったんですね。すみません、そんな大変な時に質問してしまって」とハナさんが謝ったので、わっちも「いやいや、全然気にしないで!こっちの仕事だから。気を使わせてごめん」ととっさに謝り返した。
「でも、わっちさんなら、きっとできますよ!わっちさんは、熱心に仕事をしてる時、ほかの先輩たちよりも頼りになるし、色んな事に気づいてくれるので、すごく助かりますよ。『今ここ』に集中…って感じで!」と思いもよらない言葉をハナさんは口にした。
「え?今に集中してる?…というか、ボクが頼りになる??嘘だぁ」びっくりしてわっちは声をだした。
「ホントですよ!今、しなくちゃいけない仕事にひたむきに集中してる時っていうんですかね?」
確かに、集中して深く考えながら仕事している瞬間はあるなっとわっちは思った。それを言っているんだろうか?自分でもなかなか気づけない一面を言ってくれたハナさんに感謝した。
「だから、来週もきっと、大丈夫です!『今』に集中です!」とハナさんはわっちに笑顔でそう言った。
「ハナさん、ありがとう!」とお礼を言ったわっちは思った。
「そんな風に思ってくれる人もいるのか。『今』に集中…か。」いつも他人の事に意識を奪われて心が動揺するわっちだったが、意外な一面を言い当ててくれたハナさんの言葉が胸に刺さる。
「今の連続が、未来を作るんだもんな。今だけ集中して、自分のするべきことをしよう。そうすれば平常心で来週も乗り切れる!…かな?」
平常心でいられて、ちょっぴり頼りになる自分になる秘訣に気づけた瞬間だった。
いつの間にかハナさんと普通に会話できていたことにも気づけた………かもしれないわっちであった。
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