町の青果店で働く柴犬わっちは、そろそろ帰宅時間。仕事も今日はスムーズに終えることができ、定時には帰れそう。

 

「わっち!」と声がした。振り向くとヤギのメェ店長が手招きしている。嫌な予感がした…。

 

「はい!なんでしょう?」わっちが恐る恐る返事をすると「今日は早いね、飲みにどう?」とメェ店長。

 

「やっぱり!どうしよう…。この前、酔った店長を介抱するの大変だったんだよな…」とこの前飲みに誘われた時のことがフラッシュバックし、ためらった。とっさに、知り合いのカウンセラーからの「断ってもよい」というアドバイスを思い出したわっち。

 

「きょ、きょうはこの後はやく帰らないといけなくて…」とわっちは勇気を振り絞った。

 

「そうなの?用事?」と店長が聞き返す。

 

「ま、まぁ…。あ、会う人がいる…といいますか…」としどろもどろのわっちだったが、店長は意外にもあっさりと「そっか!」と言って立ち去ってしまった。

 

「店長に悪い事したかな?嫌な思いさせてないかな?まさか…もう声をかけてくれなくなるかも?!」と不安がぐるぐると頭の中を駆け巡った。

 

 

少し時間が経ち、落ち着いたわっちは、まっすぐ帰らず少し寄り道して帰ることにした。

 

「会う人がいるって言っちゃったしな…これでいなかったら嘘になっちゃうな…」そう思いながら、いつも寄り道する空き家の庭でよく会う、クマのカウンセラーを待つことにした。

 

すると数分後、後ろの木陰から誰かが近づいてくる気配がした。

 

「あ、ドン先生!」わっちは言った。この町でカウンセラーとしている、クマのドン先生だった。

 

「おぉ!わっち。なんか待ってくれてたみたいだったね」とドン先生。

 

「そうなんだ。今日はね…」と先ほどの出来事を話すわっち。断ることはできたのだが、店長に嫌われてしまったのではないかと不安になっているようだった。

 

「確かに、些細な刺激を察知する能力が高いHSPは、店長のようなそっけない態度をとられると、嫌われたと思うかもしれないね。でもね、わっち。店長の誘いをを断るか否かと、店長との人間関係が悪くなるか否かはあまり関係ない事なんだ。まったくの別物。また気が変われば誘ってくるし、よほど印象の悪い断り方をしないかぎりは、店長との関係は悪いモノにはならないよ。まぁ、しいて言えば、軽く断ることかな?わっちのように重くとらえて、断ろうとすると相手に嫌な気持ちが伝わってしまう。『今日は用事があるのでまた今度~』とか。あまり誘ってくるなら『お酒が苦手なんです』と伝えてしまうのもよい。要は相手が嫌だから断るのではなく自己都合で断るというのがポイント。相手に悪い印象を与えずに、明るく断ろう。そうすれば、そんなに悪い関係になることはないよ」とドン先生は説明した。

 

「そっか。断る事とその人との関係性は別か!そう考えれば少しラクだね。あまり考えすぎて店長が困ったから、こっちにも気を使わせっちゃったのかな?今度からは、明るく。軽く。だね」とわっち。

 

「そういや、この前貸した本もう読んだかい?そろそろ返して欲しいな」とドン先生。

 

「まだ途中なので、また今度~」とわっち。

 

そうきたか…1本取られたな」そう言いながら、ドン先生は笑いながらわっちのおしりををポンと叩いた。

 

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