柴犬わっちは、町の青果店でお仕事中。何やら落ち着かない様子。

 

 

「うわ~今日は店長と2人きりかぁ😓みんな休みとか別の仕事の予定とかで、今日はいないんだよなぁ~💦」

 

 

どうやら、わっちは、ちょっぴり苦手意識のあるヤギのメェ店長と2人きりの勤務の様子。うまくやり取りできるといいのだけれど…。

 

 

「て、店長!だいこんの仕入れ終わりました!売場に出しても良いでしょうか?」ちょっと緊張気味にわっちが聞くと、

「おぉ!そんな事いちいち聞かなくていいから早く出せ!」とメェ店長。

 

 

「わ、わかりました💦」そう言って、わっちはだいこんを取りに裏へと回った。

 

 

「う~ん。やっぱり店長のことちょっぴり苦手だぁ。悪い人じゃないんだけどな。」

 

 

わっちは、メェ店長の少しぶっきらぼうな物言いが苦手なようで、悪い言葉を使われたり、大きな声で怒鳴られたりはしないものの、怖いと内心思ってしまっている。

 

 

「確認するにもびくびくしちゃってなかなか、話しかけにくいんだよな💦」そう独り言をつぶやいていると、「お~い!わっち、まだか~?早くしないと次の仕事に間に合わないぞ~!」とメェ店長の声が聞こえてきた。

 

 

「わ💦わかりました~💦今すぐ戻りま~す😫」わっちは慌ててだいこんを台車に積み、売場へと戻る。

 

 

「ここに大根を出したら、次は果物だ!メロンとさくらんぼをその棚の上に出しておくんだぞ!しっかり試食も出してな!」そういって、メェ店長は事務室の方へそそくさと行ってしまった。

 

 

「ま、まずは大根を出してっと💦そ、そのあとは、メロンか?さくらんぼだっけ?っどどっちの試食を出したらいいのかな?💦また聞きに行くと、色々言われちゃうかな?ちゃんと話聞いてないって思われるかな😟ま、まずは早く大根を並べなきゃ💦」

 

 

 

HSPのわっちは一度に色んなことを考えて、最善を尽くそうとする半面、他者に嫌われないように完璧に遂行しようとする傾向が強い。少しでも不安を感じると最悪な場面を想像してしまい、頭が混乱してしまうのだ。今回の場面もそうで、しっかりと品出しを遂行したい反面、完璧にこなすにはメロンとさくらんぼどちらの試食を出せばよいかという情報が足りず、聞き返すには迷惑になるかも、という思考が頭をよぎってなかなか行動に移せない。そんなささいな事でも、HSPにとって、事は深刻だ。

 

 

「大根とメロンとさくらんぼはとりあえず並べたぞ!あとは、試食💦どっちを出せば…。」とわっちが考え込んでいたところにメェ店長が偶然戻ってきて言った。

 

 

「あぁ、言い忘れだが、さくらんぼ、試食だしといてくれ!」そう言ってまたそそくさと店の奥の方へ姿が見えなくなった。

 

 

「店長、戻ってきてくれてよかった😮‍💨聞き返すことができなかったから、ラッキーだったな。こんな時、みんなはどうやって質問したり、話しかけたりしてるのかな?僕にとっては、実際の仕事より苦手な人に話しかける事の方が大仕事なんだよな~😓」

 

 

帰り道。わっちはいつも寄り道をして帰る、空き家の庭にたどり着いた。今日は風が気持ちいい。初夏の夕暮れ。

庭のベンチには、ドシッと腰を下ろした先客がいた。

 

 

「あ!ドン先生」とわっちが叫ぶ。

 

 

「ん?おお!わっち😊今帰りかい?」

この町でカウンセラーをしているクマのドン先生だった。わっちとはよくこの庭で偶然にもよく一緒になることが多い。

 

 

「おや?なんか浮かない顔だね?さては仕事で何かあったかな?」ドン先生はちょっぴり元気のないわっちの顔を覗き込む。

 

 

「うん。実は…。」

わっちは、苦手な店長と2人きりでの仕事だったこと、そんな店長と上手く会話ができないことや、聞き返すのがちょっぴり怖いと思ってしまう事など、今日の出来事をドン先生に打ち明けた。

 

 

「う~ん。まずわっちは、職場の仲間とは仲良くしなくちゃ😣とか、嫌いな人でも良いところはあるんだから、そこを探さなくちゃ😣とかという思いが強すぎるね。HSPは良心的な人が多くて、他人との共感力も高いから、自分とかかわる人とは必ず仲良くならないといけない、良い関係を築かなきゃ😣という思いが強いんだ」とドン先生はわっちに言った。

 

 

「確かに、仲良くしたい気持ちは強いし、店長も悪い人じゃないんだ💦他人を見下したり、ひどい言葉をかけたりとかはないから💦仕事熱心なんだと思う。だから、気持ちにこたえたいんだけど、熱量についていけないというか…。怖いって思っちゃうんだ😣」とわっち。

 

 

「店長の力になってあげたいんだね。えらいねわっち🙂けど、怖いって気持ちにもう少し素直になってもいい。『店長のことをキライでも良い』と自分に許可を出してあげよう。」とドン先生はわっちを見つめた。

 

 

「店長のことキライでもいいのかな…。仲良しの方がいいと思うけど…。」わっちのしっぽに不安が伺える。

 

 

全員から好かれる人っていうのは、存在しないんだよ。そりゃ、表向きは人気者やみんなに好かれやすい人っていうものいるけれど、そういう人にも必ず苦手な人はいる。それは自然な事なんだ。苦手な人には、距離を上手にとってみよう。例えば、挨拶はちゃんとするけど、それ以上の会話をしないようにその場から距離を置くとか、仕事上の役割をはっきりと分担してやりとりが少なくて済むように工夫するとか、メールで会話が済むなら要件をそれで済ませしまうとかは割と役に立つよ!」とドン先生。

 

 

「キライになるのも自然な事…か。ボク、キライにならないように一生懸命頑張ってたから、ちょっと新鮮。」とわっち。

 

 

「そうそう。店長にだって、好きな人嫌いな人、話しやすい人話しかけにくい人が必ずいるんだから、わっちだけ、全員を好きになる必要もないし、逆に好きになってもらう必要もない。手がどう思うかをこちらがコントロールなんてできないんだから。ただ、自分の心にはきちんと自分自身が主導権を握っておこう。😉」ドン先生はわっちの肩をポンと叩く。

 

 

「自分の心の主導権?🤔」とわっちは首をかしげながら、ドン先生を見る。

 

 

「相手が自分に都合の良い返答をしてくれたら、『この人は良い人』、ちょっと粗末に扱ってきたら『この人は悪い人』などと相手の言動に振り回されず、相手は相手、自分は自分としっかり割り切る事。褒めてくれたらお礼を言えばいいし、悪口を言われたら、やめてほしいと毅然とした態度をとる。最初は難しいかもしれないけど、こうした考え方を常に持っておくことが大事。だんだんと自分の軸が定まって、相手に振り回されにくくなってくるから🙂」とドン先生。

 

 

「最初はちょっぴりボクには難しいかもしれないけど、自分の反応を相手に合わせないように、ちょっと意識してみようかな🙂」わっちの表情が明るくなった。

 

 

「さ、そろそろ暗くなってきたし、家の近くまで一緒に帰ろうか」そう言ってドン先生とわっちはあたりが夕焼けに包まれた庭のベンチから立ち上がり、仲良く帰っていくのであった。

 

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