柴犬わっちは、自宅のベッドの上にいた。

先日、疲れが溜まり、職場で倒れてしまったのだ。一度は病院に入院していたが、今は自宅療養中。

 

 

事に行かないと案外時間ってたっぷりあるものだなぁ😯普段は仕事で頭がいっぱいになりながら、目ま        ぐるしく1日が終わるのに、いざ休んでみると、1日ってとっても長い。」

 

 

繊細な心を持つ、柴犬わっちは、普段何気ない仕事でも、この先の仕事の事や、過去の自分。が関わった仕事の心配、上司や同僚などの発言の裏にある感情などを読み取ったりと、通常、気にも留めないような事に、人一倍気を使いすぎて、脳がフル回転。気持ちが休まらない状態が続いている様子。この間もそれが原因で倒れてしまったよう。

せっかくの休養期間、気持ちは休まるといいのだけど…。

 

 

「ちょっと暇だから、テレビでも見ようかな?ポチっと📺」わっちはおもむろにテレビをスイッチを入れた。

 

 

『現在〇〇事件の犯人が逃走中の模様です。近くの住民の方は十分にお気を付けください…』

なんか物騒だな…。チャンネル変えようポチっと📺

 

『○○の病気のリスクが高まるので予防をしっかりしないと大変なことになりますよ…』

う~ん。療養中に病気になる番組はなぁ😥テレビ消して、スマホでも見るか。ポチっと📱

 

『俳優の○○と歌手の○○が破局か…』

あ~もう💦ネットニュースもネガティブなネタばっかりだな😥はやく元気になって仕事に戻らなきゃいけないのに、落ち込むニュースばかりだと気がめいっちゃうよ…。

 

 

『ピンポーン🔔』

わっちが困っていると、急におウチのインターホンが鳴る音がした。

わっちが玄関のドアを開けると、わっちが働く青果店で一緒に働いてる、アルバイトのネコのハナさんが立っていた。

 

 

「わっちさん、お身体大丈夫ですか?」ハナさんはお見舞い用にフルーツの盛り合わせを両手いっぱいに持って、わっちに手渡した。

 

 

「わぁ!ハナさん、すごいフルーツだね!重かったでしょ💦さぁ、上がってゆっくりしていって。」わっちはそう言うとハンさんのフルーツ盛り合わせをテーブルの方へ持っていく。

 

 

「あ、上がってもいいんですか。ご迷惑になるので、これで失礼しますよ🫣」ちょっと恥ずかしそうにハナさんは言った。

 

 

「いやいや。せっかく来てもらったのに悪いよ。どうぞ😊」そう言ってわっちは、ハナさんを招き入れた。

 

 

「そ、そうですか🫣では、おじゃまします///」少し照れた表情で部屋に上がるハナさん。

「さ、最近はちゃんと休めてますか?」と唐突に話題を振るハナさん。

 

 

するとわっちは、少し苦笑いしながら、「よくテレビやSNSを見ちゃうんだけど、なかなか心が休まらないよね。なんか暗いニュースばっかりでさ。お陰様で、身体は少しずつ休んで元気になってきてるんだ。けど、気持ちの休め方がよく分からないというか…。」と頭をポリポリかきながら答えた。

 

 

「どうぞ」と言われたので、部屋のソファに腰かけたハナさんが頷きながら答える。「確かに、テレビやSNSのニュースで暗い気持ちになっちゃうことありますよね~。私も、気持ちがしんどい時は、『そのニュースとか話題を知って、自分が得するか、自分の今後に役立つか』という視点で選びますね。」

 

 

「自分に役立つか?」とわっち。

 

 

「そうです。例えば、凶悪事件とか、芸能人の不倫とか、自分の身近な問題であれば、対応したりしないといけないけど、遠い地域や赤の他人であれば、対応できないケースがほとんどですよね。そうやってただ、暗い気持ちになるよりだったら、見ないって選択しますね。」とハナさんは言う。

 

 

「確かに。スイッチをつけたりした瞬間のニュースなんかつい見ちゃうけど、意識してみない事も気持ちを上げるためには重要なのかも。」うん。と頷きながらハナさんをみるわっち。

 

。ささすが!

「わっちさんみたいな繊細さんはテレビをそもそも持ってないって人もけっこういるみたいですよ。映像はけっこう刺激が強いですからね。SNSもおんなじで、自分の気分が上がるものだけを見るって決めている人も多いみたいです。」とハナさん。

 

 

「へぇ~。映像を見ちゃうと確かに影響を受けちゃうなぁ。苦しんでる状況とか辛い気持ちに共感してしまうことが多いから…。でも、テレビとかSNSの情報を取らないと、なんか世間から置いて行かれるかもしれないって思わない?仕事場で話題になってもついていけなくなったり、お客さんに話しかけられて対応できなかったりさ…?」と不安な気持ちを口にするわっち。

 

 

繊細さんは共感力が強いですからね。他人の思いを自分事としてとらえてしまって辛くなる時があるんですよね。世間の情報をまったく取り入れないもの確かに分かりますよわっちさん。そんな時は、新聞とかネットの記事なんかを参考にすればいいと思いますよ?」とニコッと笑うハナさん。

 

 

「ニュースとか動画だと辛いものは共感してしまうから、それは確かにそうだね!」とわっち。

 

 

「実際の映像を見てしまうとどうしても、繊細さんは共感力が働くので辛くなってしまうことが多いです。なので、ちょっと気持ちが落ちてる時なんかは、文字や紙ベースで情報を取るように心がけるといいですよ!」とハナさん。

 

 

「ありがとうハナさん!試してみるよ!それにしても、すごく物知りなんだなあ!早く治して復帰しなくちゃ!」と元気がでた様子のわっち。

 

 

 

「わっちさんの為に勉強してますからね!😊」

 

 

「え?ボクの為?🤔」不思議そうな顔を浮かべるわっち。

 

 

「あ💦なんでもないですよ🫣💦さ、そろそろ、帰らないと。それではし、失礼しますね💦」と慌てた様子で部屋を後にするハナさん。

 

 

「なんか急用??」そう言ってお見舞いに来てくれたハナさんをお見送りするわっちなのであった。

 

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