柴犬のわっちは、町の青果店でお仕事中。何やら今日は早朝から忙しいみたい。

 

 

「わ~💦今日は暑いせいか、スイカがよく売れるな~💦忙しすぎて目が回るよ~😵‍💫」

 

 

今日は夏日ということあって、青果店では冷えたスイカがよく売れているみたい。わっちは朝からせっせとスイカをカットしては売場に並べる、お客さんから注文を受けては、またまたカット…で大繁盛!うれしい悲鳴ではあるけれど…。

 

 

「今日は休憩返上だ💦休んでたんじゃ、あっという間にスイカがなくなっちゃうよ😣」

 

 

そう言いながら、休憩にもいかず、他の自分の仕事も後回しでスイカと格闘し続けていた。すると、作業場の奥の方から、わっちを呼ぶ声がした。

 

 

「わっちさん!私がスイカ切って並べておきますから、休んでください!」

 

 

わっちが振り返ると、アルバイトのネコのハナさんがエプロンをキュッと結んで立っていた!

 

 

「ハナさん!ありがとう!でも、1人だと今日は大変で手が回らないと思うんだ。だからボクも続けて頑張るよ💦」とわっちはハナさん1人に押し付けて休めないと言わんばかりに、スイカを手に持ってひたすら作業を続けた。

 

 

その時…。急にわっちの目の前が真っ暗になった。「わ、わっちさん!だいじょう…ぶ…で…すか…?💦」途切れ途切れのハナさんの声が聞こえたような気がした。だんだん気が遠のいていく…。

 

 

 

「ん…ん?😯」目が覚めたわっちは自分がどうなっているのか、ここがどこなのか分からなかった。

 

 

「わ、わっちさん!大丈夫ですか?」とわっちの横に座っていたハナさんが立ち上がり、心配した様子でわっちの顔を覗き込んできた。

 

 

「あれ?ここは…?ボク…どうかしたの?」わっちがそう言うと、ハナさんが答えた。

 

 

「わっちさん、スイカを切ってる時に急に倒れて…💦慌てて病院に運んでもらったんですよ?💦私は付き添いで…もうっ…心配したんですからぁ😣」ハナさんの取り乱した姿を初めて見たわっち。

 

 

「ハナさんでもそんな風に慌てたりするんだね😯」わっちはちょっと新鮮で嬉しそうだった。

 

 

「もぉ、倒れた時はホントに心配したんですから🥲冗談はやめてください😥」ハナさんはそう言ってホッとした様子で傍にあった椅子に腰かけた。

 

 

「そっか…。急に目の前が真っ暗になったと思ったら、倒れちゃったんだね…。心配かけてごめんねハナさん。」わっちはハナさんを見て謝った。

 

 

「あ、謝らないでください。わっちさん。で、でも、お仕事はほどほどにした方がいいです。わっちさん、朝早くからず~っと働きっぱなしで休んでなかったんですから!早く休憩にいかないからぁ💦」とハナさんは少し怒った様子でわっちに言った。

 

 

「ご、ごめんなさい…。ボクが休むと、みんなに負担を背負わせることになるから、頑張ろうと思って…。」わっちのしっっぽが、しゅんとなる。

 

 

「負担とかじゃないですよ、それはみんなで分担してやる仕事量で…。」ハナさんの口調が少し強くなったところで、コンコンと病室のドアのノックが聞こえた。

 

 

「あ!ご家族のかもしれませんね…。邪魔になると悪いので、私はこれで失礼します。あ!でもわっちさん、次はぜったい無理して仕事しちゃダメですからね!」

 

 

そう言ってハナさんは面会に来た方に、一礼して外へと出ていった。

 

 

「外で話は聞いていたぞわっち。なに、仕事中に無理しすぎて、倒れちゃったんだって?」そう言いながら大きな体を揺らして病室へ入ってきたのは、わっちの家族…ではなく、

 

 

「ど、ドン先生💦どうしてここに?」わっちの目の前に立っていたのは、この町でカウンセラーをしているクマのドン先生だった。

 

 

「いや~たまたま、わっちの働いてる八百屋さんの前を通りすぎたんだけど、なにやら騒がしくてね。お店の人に事情をきいたんだ。従業員が倒れたというから、まさかと思って行先の病院を教えてもらったんだよ」とドン先生。

 

 

「そうなんだ…。わざわざ来てくれてありがとう。まさか、自分が倒れるなんて思ってもみなかったよ。」わっちのしっぽに力が無くなった。

 

 

「どうしてそんなになるまで、働いたの?」ドン先生はわっちの顔を真剣に見つめている。

わっちは、今日忙しかった事や、長時間休まないで働いたこと、仕事を代わってもらうタイミングで悪いからと続けようとしたことなど、記憶が残っている部分で説明した。

 

 

「う~ん。良心的なHSPらしいねぇ、わっちは。体やメンタルがさほど丈夫にできてないのに、他人に気を使って自分を犠牲にしてキャパ以上の仕事を引き受けてしまう。そして体調を崩す。典型的なパターンじゃないか。前にも注意しただろう?」ドン先生はわっちを諭すように言った。

確かによく言われた記憶がある。

 

 

「は、はい…。ごめんなさい😣」

 

 

「頑張るのは良い事なんだけど、自分の許容範囲をよく理解して仕事すること!外国のあるお医者さんの知り合いにこんな研究結果があると聞いたことがある。『頑張り屋で成功を強く望んでいる』『競争心が強く自分をやり手と思っている』『成果を早く出したいが故にいつもセカセカ、イライラしている』『話が早口で、行動も落ち着きがなく、早食い』こんな心理や行動パターンを持っている人は、ストレスをためやすく病気にかかりやすいという結果だ。わっちもあながちハズレてないでしょ?」ドン先生はわっちを諭す。

 

 

「他人の目が怖いんだ😣頑張ってないと役立たずって思われて、嫌われそうで😣」わっちは精一杯の声を絞り出した。

 

 

「その気持ちは理解できるよ。けど、それがあまりに強すぎる。それがストレスになって鬱になってしまう人がHSPには多いんだ。頑張る事がそのまま嫌われない事だなんてことは無い。そのわっちの間違った信念がある限り、また繰り返してしまうよ。仕事を頑張る事がいつしか、人に嫌われない為に頑張る事になってしまい、それが、イライラ・カリカリ・鬱々の原因にすり替わってしまう。そんな状態で仕事仲間とかかわるとどうなる?嫌われない為にしていた事で他人から嫌われる原因にもなることだってあるのさ。間違った信念が、安らぎや、穏やかな心を蝕んでいくのさ。だからしっかり休んで自分のペースで進んで行くことが何より大事さ。それが結果、他人に喜んでもらうきっかけにもなる自分を知ってる優れた人は優しい人ってことさ」ドン先生の声に熱が入った。

 

 

「優れた人は、優しい人…か。頑張らないことが誰かの為になることもあるんだ…。ドン先生、ごめんなさい😥ボクなんか勘違いしてたかも。頑張る事でみんなに迷惑がかからないようにしなきゃと強く思い込んで…。先生か言うように、逆に迷惑をかけちゃった💦」とわっち。

 

 

「わっちはよく頑張った🙂理解してくれてありがとう😉まずは、自分か幸せで、余裕があって、元気がないと、まわりにエネルギーを与える、助けるなんてできないんだぞ😉今回のことでよくわかったよね!」とドン先生はにっこりと微笑んだ。

 

 

「うん!ドン先生ありがとう!自分のペースをしっかり理解しなくっちゃ🙂」わっちにも少し笑顔が戻った。

 

 

「うん!さぁ。私もそろそろ行こうかな!わっちはしっかり身体を休めて心を回復させて、町のみんなに元気に野菜を届けてね😊」

 

 

病院の窓からは心地よい夕暮れの風が吹き込んできた。それが気持ちよかったのか、それとも話を聞いて安心したのか、わっちは気付くと夢の中であった。

 

 

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